「豊島区子ども読書活動推進計画(第四次)」の概要 1 計画の背景 「子どもの読書活動の推進に関する法律」(平成13年)に基づき策定する。 発達段階に応じた読書機会の提供と読書環境の整備を図る。 策定、改定経緯   第一次 平成18年3月(平成19年度から平成27年度の10年間)  第二次 平成22年3月(平成22年度から平成27年度の6年間)※教育基本法改正等により計画を修正  第三次 平成28年5月(平成28年度から令和2年度の5年間)※改定延期のため、令和3年度までの6年間に変更 2 第三次計画の取組と成果 (1)目標  @子どもの読書活動の意義や大切さの普及・啓発  A子どもが読書に親しむ機会の提供と読書環境の充実 (2)数値目標  @子どもの図書貸出冊数(区立図書館・学校図書館) 児童書は達成したが、YA書は未達成。引き続き中学生・高校生への対策が必要。学校図書館は目標を大幅に上回った。 A1か月の平均読書冊数 目標値を大幅に上回った。 B中学生・高校生の1日の平均読書時間のうち「0分(読まない)」の割合 未達成。全国的な課題のため引き続き不読率改善に取り組む。 (3)計画事業 図書館、幼稚園・小・中学校、区民ひろば、保健所、地域ボランティア、家庭等と連携し、92事業を実施した。一定程度読書環境整備ができたが、新型コロナウイルス感染症の影響で事業実施不可能なものもあった。 3 第四次に向けて(第四次計画の方向性) (1)不読率の改善への取組 中学生・高校生の不読率が課題。中学生・高校生のニーズや生活環境を把握し、使いやすい、利用したいと思える図書館にしていく。 (2)子ども・生涯学習関連施設、地域、保護者等への理解・啓発 社会情勢の変化(デジタル化、新型コロナウイルス、SDGs エス ディー ジーズ推進等)に取り組むため、あらゆる主体との連携をより強化していく。 4 第四次計画基本的な考え方 (1)基本理念 「本がつなぐ」人と人の循環(わ)で区民が自ら本に手を伸ばす生涯学習の場を創造 ※豊島区立図書館基本計画と共通の基本理念とする。 (2)サブ理念 すべての子どもが素晴らしい本と出会える読書環境をめざして (3)目的 @乳幼児期からの読書基盤の形成  A学習の基盤となる資質・能力の育成のための読書活動の推進  B特別な配慮を必要とする子どもの読書環境整備の推進  C読書の質の向上 (4)対象  0歳からおおむね18歳まで ※豊島区立図書館基本計画の子どもの部分を補完する。 (5)計画期間  令和4年度から令和8年度までの5年間 5 計画が目指すもの (1)重点「読書の質の向上」 読書の質の向上を通して豊島区が目指す5つの子どもの姿と、その子どもの姿がもたらす4つの効果を以下のとおり掲げる。 豊島区が目指す子どもの姿 @本へ親しみ、豊かな感性と知的好奇心を広げ、自分の思いを言葉で伝えられる子ども A読書を通じて多様な分野への興味関心を高め、新しい発見や知識を得ることに自ら意欲的に行動する子ども @とAの効果 発達に応じた子どもの感性・自主性・主体性の醸成 B読書を通じて「多文化」に触れ、互いに尊重する気もちを持ち、様々な角度から柔軟に物事を考えられる子ども Bの効果 多文化共生への慣習 C読書を通じて「情報を読み解く力」「情報を分析して判断する力」を身に付け、情勢の変化に柔軟に対応し、よりよい社会づくりに貢献できる子ども Cの効果 確かな情報リテラシー(能力)の習得 D自ら「学び(読書)の循環(わ)」に入っていく子ども Dの効果 地域コミュニティの活性化 (2)数値目標 @不読率の改善状況(パーセント) 東京都の不読率の根拠と合わせるため東京都の第四次計画の目標値と同じくする。小学2年 1.3、小学5年 2.7、中学2年 6.6、高校2年 15.9 A読書が好きかどうか 読書に肯定的な考えをもつ子どもを増やし、自らの生活の中に読書を取り入れようとする子どもを増やす。 小学2・5年 90%以上、中学生・高校生 50%以上 B教育課程に読書活動の推進が位置づけられている割合 幼稚園、小学校、中学校 100% C学校や地域の図書館の活用頻度(学校図書館、区立図書館別) 学校図書館 小学2・5年、中学生100% 区立図書館 小学2年95%、小学5年90%、中学生60% 6具体的な取組・進捗管理報告 (1)具体的な取組 @各主体の役割 図書館、学校、子ども・生涯学習関連施設、地域、家庭等の役割を明確にし、読書に関心がある層への発展的取組、関心が無い層への基礎的取組を進める。 A図書館が基軸となる計画事業 公民連携を活用した事業実施等図書館外での事業展開の推進 子どもの参加の場づくり   子どもの読書にかかわる職員等の質の向上 読み聞かせボランティア等の養成・派遣 B学校図書館が基軸となる計画事業 学校・学校図書館と区立図書館が連携し、モデル事業を検討し実施する。 C学校司書と図書館司書の地域に関する知識向上と情報共有 地域の歴史や情報を積極的に収集し、それを共有できる場づくりをする。 (2)計画事業の進捗管理、報告 事業の取組状況を調査し、豊島区子ども読書活動推進会議、豊島区図書館経営協議会、豊島区教育委員会へ報告する。 進捗状況や社会情勢の変化等をもとに、事業の見直しをする。 (3)計画数値目標の進捗管理・報告 「豊島区読書活動に関する実態調査」(5年に1回)、豊島区教育委員会で調査する数値(毎年度)の活用をし、毎年度報告する。